ペーパースクール開講! その内容をご紹介します


皆さん、こんにちは。

6月も過ぎようとしていますが、新入社員の皆さんはそろそろ仕事に慣れてきたかな?といったところでしょうか?
覚えなければいけない業務が山積みだったり、社内の人間関係などなど…まだまだ大変かと思いますが、ひと仕事終えたあと、自分の給料で飲むビールは格別だと思いますので、がんばって乗り切っていきましょうね!

さて、そんな新入社員さん向けに、先日(5月9日)弊社ではペーパースクールを開催しました。
皆様にとって、紙についての基礎知識を改めて復習できたり、知らなかった情報を仕入れる機会になればとの思いで開催したものです。

ということで、今回はそのスクールの内容について、ここでいくつかご紹介したいと思います!

 

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手配の流れ
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まずは、弊社の手配の流れについて、少し触れますね。

仕事をする上で、手配の流れを覚えるのは社内コミュニケーションを取る上で大切ですよね!

紙は、各メーカーによって様々な種類、銘柄が製造されています。
その紙の販売ルートとして弊社のような商社が存在しています。
弊社は日本国内の紙を幅広く取扱っていますので、「こんな紙が気になるんですけど……」というご質問にも柔軟に対応しております。
 

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紙とペンの相性 実際に書いてみました!!【パピルプラス商品】

皆さん!  最近紙にメモをとる機会はありましたかー?
なんだか変な質問になってしまいましたね……(笑)

この前、桜を見かけたと思ったらもう6月。入社1年目の新人の方々はきっと、嫌と言う程メモをとる機会がたくさんあることと思います。私も新入社員の頃はたくさんメモをとりました。

普段私たちがメモをとるために使用している紙といえば……、
メモ帳やノートに一般的に使用されているのは、非塗工の上質紙になります。
また上質紙は筆記に適しているので、ボールペンやシャープペンシルなど様々な種類の筆記具でも、総じてサラサラと書きやすい紙です。筆記に適している紙なので、これは当たり前のことですよね。

一方で塗工紙は、表面に塗料を塗布して滑らかさや光沢感などを出す加工が施されていて、印刷用途で使用されることが多く、筆記具によっては書きにくい紙もあります。
つまり、紙とペンには相性があるんです! なんだか人間みたい……(笑)

印刷の仕上り具合は、紙の見本帳やタトウに印刷見本が刷り込まれているので、目でみて確認できますが、この紙とペンの相性。これは実際に書いてみないとわかりません……。

ということで、今回はどの紙(塗工紙)がどのペンと相性が良く、書きやすいか。実際に書いて検証してみました! 
検証結果に関しては、私の勝手で個人的な意見と感想になっていますので、あくまで”参考”とお考えください。(笑)

   

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今回使用したペンと紙

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100円ショップで買えるインクジェット用紙

最近はどこの家庭にもある家庭用インクジェットプリンター。
とても便利ですね。
初めて私の家にプリンターがきた頃は、まだ一般的なコピー用紙ぐらいしか手に入りませんでしたが、最近ではクラフト紙なども100円ショップで購入できる時代になってきました。凄いですね!
なので、今回は100円ショップや家電量販店などで購入できるインクジェットプリンター用紙を紹介していきたいと思います。
 

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コピー用紙
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さてまずはコピー用紙。
家電量販店などで箱や包で売られている姿を見かけることも多いのではないでしょうか。
一番身近でよく使用するものですね。
ですが、ちょっと残念なのは、基本的に写真やイラストなどを綺麗に印刷したいと思っても、コピー用紙ですとインクが沈んでしまい色が暗い感じで出てしまいます。
やはり文章メイン、大量に印刷するという場面では適しているかと思います。
少し厚手の物もあり、私が学生のときは単語カードを作成するときなどに使用していました。

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インクジェット用光沢紙
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こちらは写真などを綺麗に印刷したいときに使用するのがいいですね。
画像をご覧ください。コピー用紙に比べてインクジェット用光沢紙ですと、点描が綺麗に印刷され、色も鮮やかに出ているのがわかります。(参考例はイラストを出力したものですが、画像出力したものの方が、よりその違いがわかりやすいです)

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「はる楽の~と」お取り扱い店のご紹介!【宮地楽器 小金井店】

楽譜貼付用ブック「はる楽の~と」の製品開発からもうじき1年が経ちます。
開発当初、まだ公式に販売を開始する前にもかかわらず、中学校や高等学校の吹奏楽部でいち早くご採用いただき、その流れに後押しされるように昨年の秋から公式に販売をスタートさせました。
今年に入り、以前ご報告しました「中小企業総合展」に出展し、「日経トレンディネット」さんに、ニッチで便利な商品であると取り上げていただきました。
その後、日を追う毎に、楽器を演奏する一般の方々からのお問い合わせも増え、御購入いただけることが多くなりました。皆さん、ありがとうございます!

さて、そんな「貼る楽の~と」の現状ですが、
実は、開発当初は「果たしてこの商品は売れるんだろうか?」と不安を抱えながら製品紹介の目的で楽器店さんなどを回っていた時期がありました。
そしてナント、そんな不安な時期に、いち早く「面白い商品だね」とお取り扱いをご快諾いただいた楽器店さんがいらっしゃったのです! 
今日は、その楽器店さんをご紹介させていただきます。

  

『宮地楽器 小金井店』

宮地楽器と聞いて、演奏する方の多くはご存じだと思いますが、ここで改めてご案内させていただきます。
小金井店はJR中央線・武蔵小金井駅北口より徒歩3分の場所にあります。
店舗にショールームとホールを併設し、東京武蔵野・多摩地区では最大級の楽器店です。
ショールームにはピアノをはじめ、弦楽器や管楽器など多くの楽器や書籍、アクセサリーなどが展示・販売されています。

初めて小金井店さんを訪ねた時のこと。楽器店にはほとんど縁がなかった私は、「仕事だ!」と気を引き締めてドキドキしながらお店に入ったわけですが、いざ入って展示されている楽器をあれこれと眺めている内に、何だかワクワクしてしまったことを今もはっきりと覚えています。

はじめてうかがった時には、リコーダーフェアが行われていて、「リコーダー大合奏を楽しもう」という企画が予定されていました。展示コーナーにはいろいろな国でつくられた大小さまざまな木製リコーダーが並べられ、使用している木の素材もメイプルやローズウッドなど柔らかいものから固い材質のものまで多く取りそろえてありました。材質によって音色が違ってくるため、アンサンブル向けやソロ向けなど用途によって使う素材も変わるとのことでした。

そんな魅力的な楽器が数多く並んでいる宮地楽器 小金井店。
ありがたいことに、そのショーウインドウの一画に私たちの商品「はる楽の~と」が展示されているのです。
実際に品物をご覧になりたい方は、一度ご来店なさってはいかがでしょうか?
親切な店員さんが丁寧に対応してくれますよ~。
  

吸水性 抜群! コースター用紙

5月に入り夏日も記録したり…と、ビールや炭酸飲料などの冷た~い飲み物が一層美味しく感じる季節になりました。
冷たい物を飲むとき、あるとチョット便利なグッズがあります。
それがコースターです。

ご存じの通り冷たい飲み物が入った容器(グラスなど)ですと、表面に結露した水滴が付きやすく、結果、テーブルが濡れてしまう……ということが起きがちです。それを防ぐためにコースターをサッと一枚敷くわけです。
(相手の方への敬意を表現するために使うこともあるので、習慣として、結露の発生しない暖かい飲み物でもコースターを使用することがあります)
レストランやビアホール、喫茶店、そして家庭など、様々な場所で幅広く使われており、店舗名や商品名、季節感のあるデザインなどが印刷されています。

使われる素材は、紙、布、コルク、フェルト、木、ガラス、陶器、珪藻土と様々です。「水滴でテーブルが濡れるのを防ぐ」という役割で考えると、紙、布、フェルト、珪藻土といった吸水性のある素材が、より効果的です。
但し、紙製のコースターは、汚れた場合、洗ってもう一度使うことが出来ないので、「使い捨て」と割り切って使うことになるでしょう。
また、珪藻土のコースターは、コーヒーやジュースなどの色の濃い飲み物が付いてしまうと、洗っても汚れが落ちにくいのでご注意ください。
素材の特徴を考えて、「使い捨てでOK」、「高級感を出したい」、「おしゃれにテーブルを飾りたい」など、使い方や場所によってコースターを選ぶのが良いと思います。

さてここからは紙製のコースターについて触れていきたいと思います。(一応、当社は紙の商社なので……、笑)

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サイズについて

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直径90mmの丸型か角型(角丸)が多いですが、もっと大きいモノや小さいモノ、また星型やハート型、完全オリジナルな特殊な形も作ることができます。

 

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製紙工場探訪#3 O&Cアイボリーボード/徳島工場 王子製紙/富岡工場

皆さんこんにちは!
今回は製紙工場見学レポートの第3弾です。
 
先日、O&Cアイボリーボード株式会社/徳島工場を訪問してきました。(2017年10月生産開始)
昨年秋に王子マテリア株式会社から上市された、OKボルビザン(FSC認証品)とOKフレースPRO(FSC認証)の2銘柄のお披露目を兼ねての見学会でした。

「んっ!なんだ…」とお気づきと思いますが、もうここまでで3つの社名が出てきましたね。ちょっと本筋から外れてしまいますが少しご説明しましょう。

私たちシオザワは紙の卸商として、前述のOKボルビザンやOKプレースPROを販売するに当たり、代理店を通してメーカーである王子マテリアさんから仕入れているのですが、実はこの製品を造っているのはO&Cアイボリーボード㈱の徳島工場なのです。(OEM生産されています)
そもそもO&Cアイボリーボード㈱は王子製紙㈱と中越パルプ工業㈱の合弁会社(O&Cは両社の頭文字)で、王子製紙富岡工場の10マシン(2010年3月停機)を改造して雑誌の表紙や菓子箱に使われる高級白板紙や紙コップ・食品容器に使われる加工原紙を生産しています。王子製紙富岡工場の中に、O&Cアイボリーボード㈱の徳島工場があるということです。ちょっと大人の都合でややこしいですね!
また、桑野川(川幅340m)河口の富岡港を挟んだ辰巳第二事業所にある王子ネピア㈱徳島工場では、ティッシュペーパーなどのサニタリー製品を生産しています。辰巳第二事業所へは、深さ20m、全長840mのトンネルで原料、電力などを送っているそうです。

ということで、王子製紙富岡工場のお話をしていきます。

  

【富岡工場沿革】

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パピルプラスの新商品『クリアバルキー』~嵩高微塗工マット~

印刷用紙の販売をしていく中で、身近なものなのに意外と手に入らないものがあります。

  • 新聞用紙
  • 『少年ジャンプ』や『少年マガジン』などに使われているコミック用紙
  • 教科書用紙

これら3つの印刷物は基本的には大量に高速で印刷するため、その用紙を手に入れようとすると、ロール状の用紙(イメージはトイレットペーパーの大きいもの)で何千m分も注文しないといけません。
ですので、いずれも「白紙で、平判で、500枚くらいで……」などと思って手に入れようとしても難しいものなのです。
 
そこで今回ご紹介したい商品は『クリアバルキー』。
もともと国語や理科などの教科書の本文用紙として使用されていたこの用紙が、2018年4月21日より東京洋紙協同組合のパピルプラスブランドに加わり、平判、小ロットに対応できるよう発売されることになりました。

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 仕様と特徴

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厚みは、60.0g/㎡(71μ)と70.0g/㎡(82μ)の2種類。
サイズ・流れ目は、四六判T目とA判T・Y目がラインナップされています。
 
教科書にどんな紙が使われていたかなんて、遠い昔のことなので覚えてはいませんよねぇ。
当時の感覚を思い出すと「教科書の本文用紙だからといって特に普通の用紙と変わらなかったのでは……」と思っていたら、意外や意外、かなり機能性に優れていることがわかりました。
   

①読みやすい

教科書の本文用紙ですから当たり前ですね。
色味は目が疲れにくいナチュラルな白さを採用。
また、ナチュラル色の用紙はモノクロの写真が映えます。

②丈夫
クリアバルキーは中質紙をベースにした塗工紙。
上質紙ベースの塗工紙に比べ、長い繊維を使用するため、強度のある用紙となっています。
教科書は基本的に1年間使用しますからね。丈夫でないと。

③軽くてしなやか
嵩高に仕上げているので、厚みのわりに軽く、
ページがめくりやすいしなやかな用紙になっています。

 

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 用途(書籍や雑誌以外で)

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さてさて、こんなに機能的に優れた用紙であっても、最初から「教科書の本文用紙です」と言ってしまうと、書籍や雑誌以外の他の使用方法が思いつかない……(汗)
で、勿論、そんなことはありませんし、パンフレットにも「使い方は無限大」と書かれていますので、これら機能が活かせる使用方法を私なりに考えてみました。

A)DM用紙(軽さと不透明度を活かして)
70.0g/㎡をA4サイズにすると1枚あたり約 4.5g
長3封筒(約6g)に4枚まで82円(~25g)で郵送できます。
(同じ厚みで81.4g/㎡のマット紙ではA4サイズ3枚まで)

B)包装紙(しなやかさと強度を活かして)
近頃はカラー印刷の光沢のある包装紙に73.3g/㎡や79.1g/㎡のコート紙が使用されることが多くなりました。
クリアバルキーも塗工紙なので印刷は綺麗に仕上がります。
実際に箱を包んでみたのですが、しなやかさがあるので通常のコート紙より包み易く感じました。
↓梱包素人の私でもパッと見た感じ、きれいに包めました。

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2017直木賞・本屋大賞W受賞『蜂蜜と遠雷』 "装丁のこだわり"徹底解剖! その②

 

前回に引き続いての第2回。
今回が本題です!

では早速……

 

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  装丁のこだわり

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①カバー

 

まずはカバーから解説します。
用紙は「OKミューズガリバーエクストラ ホワイトS」

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2017直木賞・本屋大賞W受賞『蜂蜜と遠雷』 "装丁のこだわり"徹底解剖! その①

先日、2018年本屋大賞が発表されました。
栄えある大賞は、『かがみの孤城』辻村深月著。

やっぱり!
と思った方も多いのではないでしょうか。(かく言う私もその一人)

ということで、今日は『かがみの孤城』について……、

と行きたいところなのですが、
どっこい、あえてそうはせず.
一年前の2017年大賞作品『蜂蜜と遠雷』恩田陸著、その装丁に着目して「徹底解剖!」と題して紙屋的にマニアな目線であれこれと皆様にお伝えしようと思います。
一年前の作品なのですが、どうしてもこの本のことには触れておきたくて……。

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『蜂蜜と遠雷』との出会い

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第156回直木賞&2017年本屋大賞 恩田陸著『蜂蜜と遠雷』。
すでにお読みになった方もいらしゃることと思います。
「まだ読んでな~い」という方、是非お読みになってみてください。
とにかく面白いです。その世界に引き込まれます。

ピアノコンクールを通しての人間模様が描かれた青春群像小説で、人物の心理描写が秀逸なのは勿論のこと、加えて音楽の描写が本当に素晴らしいです。
音楽を文章(テキスト)で表現した際に、その筆致の良さを「音が聞こえるようだ」と評したりします。
ではこの『蜂蜜と遠雷』はどうなのでしょう? 
はっきり申し上げます。「音が聞こえる」を超えて「音が見えるようだ」と。
そう評価するに値するセンテンスが全編を通して展開されているのです。
恩田さんの紡ぐ文章を目で追っていると、いつしか音が転がり始め、その鋭さや柔らかさが演奏会場に響きわたり、更にその音がオーディエンスを、会場全体を、どう揺さぶっているのか、その様(さま)が頭の中で再生されます。
ん~、これぞ読書の醍醐味!
文字量の多い小説ではありますが、読み始めたら止まりませんよ。

って、私は幻冬舎(出版社)の回し者ではありませんが……(笑)

さてと、まずは私と『蜂蜜と遠雷』の出会いからスタートしたいと思います。
それって必要?、と陰口が聞こえて来そうですが……冷汗

出会いは2016年10月。
よく行く書店の新刊コーナーで出会いました。
「おっ、恩田さんの新刊だ」
恩田さんの作品はこれまで、映画化された『夜のピクニック』などなどいくつか読んでいました。
「さて、今回はどんなんだろ?」と思って手にとってみると、まず感じたのが、ずしっと重い。
ぱらっと本を開けてみると、単行本ではあまりお目に掛かることのない上下二段組。それが500ページ以上続いている。
「おっ…」
この時、思いました。「恩田さん、勝負してきたな!」と。

恩田さんほどの作家さんの作品であれば、あえて二段組みにする必要もなく、通常の一段で少し余裕をもたせてページを構成し、上下二巻本として出版してもよかったはずです。いえ、一定量の販売が見込める作家さんの作品なのですから、あえて二段組みにして1冊に収めてしまうよりも、普通に作って上下二巻本として出版した方が、売上げとしては大きかったはずです。

なのに、
それがわかっていて、あえてそうはしなかった……。

何故か?
ひとつには、文字を詰めて二段組みにしてでも全編を1冊にまとめることで、価格的なお得感を出し、結果、読者にとって購入しやすいものにした。別な見方をすれば、それは、多くの人に手にしてもらいたい、読んで欲しい、という恩田さんと出版社の意図の表れ……。
ひとつには、1冊にしたことで”厚くて重い本”になり、気軽に持ち歩くことがしづらいものになってしまっているけれど、それは裏を返せば、「”ながら”読みをしないで、この本とちゃんと向き合って!」という恩田さんと出版社のメッセージがそこに込められているような気がする……。

と、そんなことを、この本を手にした時に勝手にピッと感じてしまったのでした。
まだ出版後まもなくの時期でしたので、世評も耳には入ってきてはいなかったのですが、何だかこの本から不思議なオーラを感じて、手に取った『蜂蜜と遠雷』をそのままレジにもっていった。これが私と『蜂蜜と遠雷』の出会いです。(ちょっと大袈裟ですね。。。汗)

さて、家に持ち帰り、いよいよ読書がスタート。

まずは装丁をながめ、「こってるね~」と感心。
読み始めると、とにかく面白い! ぐいぐいその世界に引き込まれる!
そして、読み進めて小説の世界に浸りながら、同時にこの本の装丁のこだわりにも改めて気づかされることになるのです。「いや~、参りました!」と。

ということで、この後、本題の「装丁のこだわり」に入ることなりますが、今日は一旦ここまでといたします。本題に入る前に、前段だけでこんなにも長くなってしまいましたので。。。すみません。
次回の「”装丁のこだわり”徹底解剖!」をご期待ください!
それではまた。

 

名刺アレコレ「厚さ、サイズ、用紙」

4月、新年度のスタート!
フレッシュな社会人を街や会社で見かける季節となりました。
企業では、新年度の組織変更に伴って転勤や部門間の人事異動が行われ、何かとバタバタしている方も多いのではないでしょうか。

そんな4月。
この時期の社会人と言えば……、そう、名刺!
新入社員であれ、ベテラン社員であれ、新しい部署名に新しい肩書きが刷り込まれた自分の名刺を持つと、ピリっと身が引き締まるというか、気合いが入るというか…、「よし、今年度もがんばるぞ!」と心に期するものが生まれてきます。
振り返ると、私も社会人になって初めて自分の名刺を手にした時は嬉しかったですね~。「俺も一人前になった!」なんて思ったりして……。

この3月から4月に掛けての時期。私ども紙屋からすると、他の時期に比べてとりわけ名刺用紙が出る(売れる)時期でもあります。当然、名刺の作成を行っている業者さんはてんてこ舞い。印刷機が回りっぱなしということもしばしばです。

さて、そんな業者さんにとってはチョー忙しい時期であるにもかかわらず、この度、迷惑を承知で「昨今の名刺の傾向」について突撃取材を敢行して参りました!
取材先は、様々な業種にわたって数多くの名刺を作成している、実績充分、横綱級の名刺製作会社さん。最先端で仕事をしている方ならではの興味深いお話も聞けましたので、今回はそれらを踏まえて、「名刺のアレコレ」について書いてみたいと思います。
(M社長、お忙しいことろ、すみませんでした! ご協力いただき、ありがとうございました!)
    

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日本の名刺

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海外で「名刺の紙」と言えば、アジア地域ではコート紙やマット紙にPP貼りしたもの。そしてヨーロッパでは、COC用紙や再生紙など、環境に配慮した用紙がおもに使用される傾向にあります。
日本はどうかと言うと、コート紙、マット紙に加え、ケント紙、キャスト紙、そしてファンシーペーパー(特殊紙)など、数多くの紙が使われ、非常にバラエティーに富んでいます。「和紙文化」や「紙への拘り」を持つ日本ならではの特徴と言えるかもしれません。
最近あまり見かけなくなりましたが、かつては、費用を掛け、自社のロゴを「型押し(浮き出し)」し、高級感のある特徴的な名刺を作る会社もありました。私も20数年前、お客様から、「型押し名刺」のご注文を数多くいただいておりました。
その時代の名刺は、「名刺でツケがきく」などと言ったほどで、それほどに1枚の名刺が企業やその人の存在を証明する、迫力のある価値あるものでもありました。(とは言っても、平社員ではツケききませんけどねぇ。笑)

  

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名刺の現状

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昨今の名刺は、シンプルなデザインと、カラフルで特徴的なデザインの2局化が進んでいて、圧倒的にカラーの両面刷りが多く、スミ文字一色の名刺は本当に少なくなっています。
大手企業ではデジタル印刷機の特徴を活かし、裏面のスペースを商品広告やキャンペーンの告知などに使ったりもしています。
また、葬祭用の名刺を別に作る企業もあります。(知ってました?)
例えば赤がコーポレートカラーの企業の場合は、葬祭用にロゴを黒やグレーに変えて作ったりするのです。

ここ数年で使用する紙にも変化が出てきています。
マット紙やケント紙の他に、アラベールやヴァンヌーボー、ルミネッセンスと言った、特殊紙を使用した名刺を作る方も増えています。
印刷の色使いも豊かになり、金や銀、クリアトナーを使って、個性的な名刺をご希望になるお客様も多くなっています。
特に夜の華やかなご商売の方々は、見た目の華やかさにこだわりをもって名刺を作る方が多く、ミラーコートやクリスパーコート、レーザーピーチ、スペシャリティーズ、ホログラムといったキラキラ、テカテカ感のある紙を使用することが多いという特徴もあります。

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