漫画や小説などを読むのに最近はもっぱら”電子”が流行っていますが、まだまだ”紙”も頑張っています!
当社が紙を扱う会社だからといって贔屓しているわけでも、電子媒体を否定しているわけでも決してないですよ。(笑)
電子は、通勤電車の中などでスマートフォン片手にささっと読めるし、何よりかさばらない。便利~!
けれど、紙媒体で読むよりも感情移入しにくく、一過性のものと言われています。
手に持って読む「本」の方が、1ページ1ページめくるごとに「次はどんな展開が!?」ってワクワクドキドキしませんか?
それに「物」として所持している方が目について探すのが楽だし、ふと思い出したらすぐに読み返すこともできます。
参考書で覚えておかなくてはいけないところや、啓発書などで心に残った文章に、サッとマーカーでチェック!
まだまだ「本」として、読み物は生き続けるものだと私は思います。
少しずれてしまいました……。
今回はそんな「本」の本文の紙についてお話していこうと思います。
-----------------------------------------
文庫本や書籍の紙
-----------------------------------------
文庫本小説や書籍の本文の紙には、ほんのり色がついていること、お気づきですか?
真っ白い紙で小さい字を読もうとすると、白い紙が電灯などの光に反射してチカチカして目が疲れてしまうのです。
なので、そうならないように目に優しく読みやすい薄いクリーム色の紙が使用されているのです。
ただし、イラストや写真などカラーものが入っている場合は、印刷で綺麗に見えるのは、
やはり白い紙なので、部分的に白いページが挟まっていたり、参考書なんかは図形が多いので全ページ白い紙を使用していることがあります。
参考書は眠くならないようにあえて白い紙を使用しているのかもしれませんね。(笑)
------------------------------------------
週刊誌・雑誌の紙
------------------------------------------
週刊誌や漫画雑誌の本文には、「印刷せんか紙」という紙が使用されています。これは、古新聞やチラシなどの古紙、断裁した後に出る断ち落としの紙を再利用して造った紙です。
通常はこれらを脱墨(=漂白する作業)して再生印刷用紙にします。
しかし、古紙の比率が多いと脱墨にも限界があり、黒ずみを完全になくすことは難しく、またコストもかかってしまいます。
そこで、色をつけて使用しているのです。言い方は宜しくないですが、色で黒ずみをごまかしているのですね。大量生産していることもあり、脱墨するよりも色をつけた方がコスト的には安いのです。
いくつか色のラインナップがあることで、ちょっとしたアクセントにもなりますし、内容や作品によって色替えを行ったりして、読む側を飽きさせない工夫にもなります。
なぜ漫画雑誌の本文は色分けされているのだろう?と疑問に思っていた方、これで解決しましたね!
週刊誌や漫画雑誌は「読んだらすぐに手放す(処分する)」を前提に作られているので、出版社の「できるだけコストを抑えたい…」という本音もあって、せんか紙が使用されているのだと思います。
-------------------------------
漫画の単行本
--------------------------------
雑誌で連載を楽しんだ後は、まとめ読みができて蔵書するのに手ごろなサイズ・厚みに仕上がっている単行本(コミック本)を購入する人が多いのではないでしょうか?
この単行本の本文に使用されているのは、嵩高、ラフ調の書籍用紙で、コミック専用の用紙になります。少しふわっとしていて質感がやわらかく、目にも優しい色味の紙です。
また、最近主流になってきている「文庫本」サイズもありますね。
こちらはコミック本とは違い、ほとんどが白くて上質紙に近い書籍用紙を使用しています。
なぜでしょうか?
それは「見栄え」のためではないかと思っています。
コミック本の紙は年月の経過とともに「紙焼け」といわれる現象が起きます。実際には「焼けている」のではなく、紫外線や日光などと紙に含まれている成分が化学反応を起こして、色が黄ばんで見えるようにっているのです。
これを「紙が焼けた」と捉えて、私たちはあまりよく思わないのですね。
それに対し、文庫本サイズで使用されている白い紙は、化学反応を起こす成分が少ないために色の変化があまりみられず、見栄えの劣化がコミック本に比べて少ないという良さがあります。
ただ、(先ほど述べたように)白い紙はチカチカして長時間見続けるのにはあまり向かないという特徴もありますので……。
どちらをとるかは、好みの問題…になりますかね~。
いかがでしたでしょうか?
本文に使われている紙も、用途や読みやすさなどを考慮して選ばれているのです。本文以外にも、表紙やカバーなど、内容やジャンルの雰囲気に合わせて様々な紙がつかわれています。
電子では味わえない、「本」の魅力、少しは伝わりましたでしょうか?