スジ押し加工・型抜き(トムソン)加工 <職人の技シリーズ 第2弾>

スジ押し加工中
スジ押し加工中

2017年も残すところあと僅かとなりまた。この時期には、書店や文具屋さんで様々なクリスマスカードが並んでいます。クリスマスにちなんだイラストやメッセージが印刷されていたり、また、箔押しやクリスマススリーの形に型抜きされたものもよく目にします。
皆さんはこのクリスマスカードがどのように作られているかご存知ですか?
今回は、紙に「スジ押し」をしたり、「型抜き」をする工程を紹介しようと思います。

 

スジ押し加工とは?


紙には繊維の目方向があり、クリスマスカードなどの厚い紙を折る場合、目方向に沿って折らないと繊維が邪魔をして綺麗に折れません。目方向とは逆なのに無理して折ると、紙の表面が割れてしまうこともあります。そんな時にはスジ押し加工! 「スジ押し」をすることで簡単・綺麗に紙を折ることができます。
スジ押し加工のやり方は―加工する機械により異なりますが―原理としては凹凸の型に紙を押しつけることで紙に溝をつくります。(図参照) その結果、綺麗に折ることができるのです。

 

実際の作業現場をご案内します!


折角ですので実際の作業現場をご案内致します。
それではここでQuestionです! この道具は一体何に使うのでしょうか?

 

正解はこちらの動画をご覧ください!

 

この動画は、卓上カレンダーの台紙部分にスジ押し加工をしている所です。スジを3本入れておくことで、台紙を三角にして自立させやすくなります。
写真のように「3本の金具を埋めた木型」を作成し、「凹凸の型」でスジを押していきます。Questionとして出題した道具は、この時に使う凹面のパーツになります。
 まず、パーツの青い部分を金具にはめ、裏側の両面テープを剥がして、機械を開閉すると、ちょうど正しい見当位置にパーツが貼りつきます。そして、青い部分を剥がすと凹面ができ上がります。
次に、紙を正しい位置にセットする為のL字型の「受けパーツ」をセットして、
あとは流れるように紙を入れて、「押す」という作業が続きます。

スジ押し+型抜き加工


今回ご紹介している加工機は「スジ押し」と「型抜き」を同時に行うこともできます。
夏場に使う「丸穴の紙うちわ」を抜いてみました。


 

うちわの形に刃の付いた木型を機械にセットします。刃の周りにオレンジ色のスポンジのような物がついていますが、これは、「刃が紙に食い込んで外れない」なんてことが無いように、クッションの役割を果たします。真ん中に「スジ押し用のパーツ」を付ける事で、綺麗に二つに折り、印刷情報を2倍にした「丸穴の紙うちわ」を作ることができます。

※実際には印刷済みの紙に抜き加工をします
※実際には印刷済みの紙に抜き加工をします

 

他にもいろいろ使えますよ


紙を選定し、抜き加工をすることで、例えば製品をかたどった名刺やDM、スイングPOPなど世界にオンリーワンのグッズを作成することが可能です。PRしたい情報を形にすることで視覚的に強く訴求することができます。(車のカタチをしたDMや、ワインボトル型のスイングPOPなどなど、アイデア次第でオモシロイものができますよね!)

私たちシオザワでは、紙とその後加工も色々とご提案しています。
「こんな事できるの?」などの要望ございましたら是非、お気軽にお問い合わせください!