剣道と紙の深~イ関係

はじめまして!
㈱シオザワ ソリューション開発部の中西と申します。
私ごとですが、私は3歳から剣道を始め今年で剣道歴30年を迎えました(笑)
会社に置き換えて考えると、今から30年って、定年を超える年数なんですね……。つまりは、結構な剣歴となったということです。。。
ま、こういう私ですので、記事を書くとなれば、やはり「剣」。
そうです、今回は紙と剣道に関する面白話をご紹介しようと思います。
長く剣道を続けてきた私も、シオザワに入社してから知った意外な紙と剣道の繋がりがあるのです。

 

剣道と紙ってどこで繋がるの??

実は、剣道で使用する防具と紙に深~イ関係があるのです。
剣道の防具とは、鎧兜のような体を保護する役目を負い、「面」「小手」「胴」「垂」の4種類で構成されています。今回はその中でも「胴」についてのお話です。
「胴」とは読んで字のごとく、体の胴体部分を保護する防具のパーツです。
面と並んで体の中央部分に装備することに加え、大きいのでとても目立ちます。
よって、防具の中でも花形の部位と言えるでしょう。
では、実際に胴の現物写真をご覧いただきましょう!

こちらは実際に私が使用している胴の写真です。
 
なんとなーく見た事ありますかね??
「あー、これを胴と呼ぶのか!」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
中央の茶色い部分の事を、胴の中でも「胴台」と呼ぶのですが
なんと…なんとなんと!この胴台部分の素材が…
紙なんですっ!!

 

紙で作る防具の謎…

剣道のような激しい格闘技の防具に紙素材が使われているなんて驚きですよね!
どうやって紙で防具を作るのか…気になりますよね!

この胴の素材で使用される紙は正式には「バルカナイズドファーバー」と呼ばれる素材で
丈夫な紙をいくつも貼り合わせて圧縮し、樹脂で固める製法によって作られているんです。

ここで、製作途中の胴台部分だけの写真をご覧ください。
左が表面、右が裏面の写真になります。


この胴台に胸のパーツを組み合わせて胴が完成します。

胴台/表
胴台/表
胴台/裏
胴台/裏


こちらと同じ素材を使用した物でも加工方法が変わると、スーツケースや電気の絶縁体など、全く違った製品になります。逆の言い方をすると、加工方法によって色々な可能性を秘めた素材がバルカナイズドファイバーということです!
胴台の素材の違いによって色々な種類の胴が存在しますが、この紙素材のものは
「ファイバー胴」と呼ばれ、大人から子供まで幅広く使われています。

 

紙の素材を使う理由ってなんだろう?

ではなぜ敢えて紙素材を使用するのでしょうか。
ファイバー胴の特徴をいくつか挙げると、その他の素材の胴と比べて、まず軽くて動きやすい!! 竹を組み合わせて作る「竹胴」と比べると半分くらいの軽さになります。そして比較的安価でお手頃というのも大きなポイント(笑)!!
ただし、耐久性は若干劣りますので、毎日の激しい稽古には向きません。
緩衝性能も他の素材と比較すると若干低めなので、打たれると痛いですしね…。
ですので私自身はここぞという時の試合用として愛用しています!!
シオザワには剣道部が存在し実業団大会などの試合にも出場していますので、紙屋としてはファイバー胴を使用するしかないですよね!

印刷する紙だけが紙じゃない!

このように雑誌、パンフレット、カレンダーに使われる印刷用紙のような紙以外にも、世の中にはたくさんの紙が存在しています。
今回ご紹介したバルカナイズドファイバーも、金属ともプラスチックとも違う不思議な素材なんです。本当に色々な紙があるんですよ!

身近にあっても気付いていなかったような紙、驚きの用途の紙など、これからどんどん『4030紙らぼ』でご紹介していきたいと思います!

今ある物を紙で作ってみたい!
紙でこんな面白い物を作ってみたい!
といったご要望やお問い合わせも大歓迎です。

紙の専門家集団シオザワまでお気軽にお問合せください!